実業団石川考察

第9回全日本実業団サイクルロードレース in 石川

 TR DNF:約60km(4.5周)/全115.8km(8.5周), 1points

自分の動きが無駄脚だって事は,流石に自分でも分かっている.

今回のレース中だって,自分の動きが中途半端な事は痛感して
いたし,逃げ遅れた後の集団内での放置状態も気付いていた.
しかし,レースの大きな展開は見えず,兎に角,逃げや追走に
乗りたい意志だけで,力尽きるまで先頭を走り続けてしまった.

「序盤に無駄脚を使わなければ完走出来る実力はある」

東日本(群馬)の後でも周囲から言われた台詞だ.
自分の力を認めてもらえるのは素直に嬉しいのだが,前回の
東日本と同じ事を繰り返していては意味が無い.
自転車競技歴1年4ヶ月,ロードレースとしては未だ12回しか
走っていない素人だから,素人走りは仕方が無い所だろうが….

一応,石川ロードで多少の進化を示せた点としては,スタート
アタックに絡む逃げの形を作れた事だろう.
しかし,真の逃げは次のカウンターアタックで形成された.

この失敗を忘れない様,自分視点での詳細を書いておく.

<パレード走行>
折角早めに並んで前方のスタート位置を確保していたのに,
密集したパレードの最中に位置を譲ってしまい,集団中央に
まで下がってしまった.
レース中の位置取りなら得意な方だと思うが,集団内に埋も
れた場合は,上手く動けない欠点があるらしい.
海藤くんの方が少し上手く立ち回っていて集団の20番目前後
を走っていた.

<リアルスタート>
パレード中に下がってしまった所為で,完全に前を塞がれて
おり,スタートアタックの選手数を見る事さえ出来無かった.
得意の登りで一番右の路側帯を草に突っ込みながら駆け上り,
集団最前列まで出た所で,湘南ベルマーレの選手と2名で抜け
出していた.
クラブチームの2名で逃げても絶対に無駄脚になると分かって
いたのだが,相手は湘南ベルマーレ原川くんで,昨年BR-1で
戦った同期の負けたくないライバルの一人であり,集団に
戻る選択肢は取れなかった.
「前方1名から20秒差」
前方1名が誰か分からなかったが,後ろの集団は離れていた
ので,そのまま2名で回して追いかけた.
補給所を過ぎ,ゴール地点の先を右折すると,白いジャージ
の背中が見えた.
それでも誰か分からなかったが,吸収した時にシマノ平塚選手
の新人賞ジャージだと分かった.
3名で回して降って,多分,この時が最高速度73.8km/hだと思う.
アウタートップ52x12Tでは完全に脚が回り切っていた.
シマノ平塚選手となら逃げ続ける意味があると考えたが,平坦
区間で集団に吸収された.
その後のアップダウン区間でのカウンターアタックは集団前方
にいて見えていたし,中途半端に反応したのだが,何故か躊躇
してしまった部分があり,逃げと集団の間で中途半端に走って
しまった.
自分の逃げが吸収された直後の動きで,脚が一杯一杯だった
のだが,この展開に乗らなければ不味いと分かっていたのに,
何故か躊躇してしまった事を,レース中に後悔し続けていた….
追走には絶対に乗ると心に決めた.

<1周目>
逃げの出来る様子を一番近くで見ていたにも関わらず,誰が
逃げに乗ったのか記憶していなかった.
ニッポとシマノと誰だっけ?
コンチネンタルチームが下がってしまい,集団前方はクラブ
チームが先導する形となっていた.
湘南ベルマーレが前を固めていたが,追走にしてはペースが
遅かったので,ベルマーレから誰かが逃げに乗っている事が
分かった.
オーベストの数名が奮闘しており,自分も呼応する様に前々に
走ってみたが,エルドラードの自分が動くべきタイミングでは
無く,完全に無駄脚だった.

<2周目>
追走しようとする動きには全て対応して,一度,イナーメ高岡
選手が切っ掛けを作って良い感じの面子が集まった様に思えて,
全力でジャンプして見たのだが,結局は無駄脚だった.
単独で少し抜け出す事が多くなり,自分の動きは集団から放置
されている事に気付いた.

<3周目>
集団の比較的前方に海藤くんが残っているのに気付いた.
つまり,それまでは最前線に位置し続けていて,集団の様子を
見ていなかったと言う事だ.
それまで単発の無駄な動きをしていた愛三が,まとまって動き
出した時,既に終わりかけた脚で全力で動いたりしていたが,
何度かアタックが繰り返される内に海藤くんは前方に乗って
行けたが,自分は取り残される自体に陥った.
その後に急激にパワーダウンし,レースを諦めた….
序盤の動き過ぎた消耗と暑さに負けた所為だと気付いた.
完全に諦めたので集団の邪魔にならない様に端をスルスルと
下がっていくと,庄司くん,小野寺くん,ウルトラ先生が
生き残っているのが見えた.
庄司くんはメイン集団の動きを追える位置にいたが,残りの
2名は後ろ過ぎて駄目だと思った.

<4周目>
ウルトラ先生を前に引き上げようと思い,降りるのを先延ばし
して,走り続ける事にした.
最初はチバポンズ奈良さんと湘南ベルマーレ原川くんと自分の
3名で上がり始めたのだが,徐々に前を吸収して行って,大きな
第3集団を形成するまでになった.
暑さでクラクラしていたので,無理をせずに,補給地点で四輪
のキーを受け取り,BR-1の集団を見送って,クーリングダウン
してショートカットして自転車を降りた.

<反省>
例えカウンターアタックで脚が厳しかったとしても,それが
石川で目標だったのだから,全力で乗って行くべきだった.
無理して乗った所為で1周で切れたとしても,決して後悔する
事の無い,良い経験になっただろう.

レース中に後悔しながら走っても,無駄脚を量産するだけで,
逃げに乗れなかったらスッパリと気持ちを切り替えて,次の
大きな展開を待ちながら集団内で脚を貯めるべきだった.

しかし,ロードレース歴を思い返してみると,集団内で脚を
貯める走り方は経験した事がない.
常に力尽きるまで最前線で戦う事しかしていなかった.
「Sempre Attacco (センプレ アタッコ:常に攻撃的に)」が
格好良いと思っていたが,TRでは全く通用しない.

もっと集団の動きを良く見て,自分が動くべき時を厳選して,
ここぞと言う時に脚を使って,上位に食い込む様な走りを
目指して行かなければ,TRでは何も出来ないまま終わって
しまう.

終戦の輪島とジャパンカップオープンに向けて,松川では
集団内で脚を貯める走り方の経験を積んでおく必要がある.
小川に集団なんて存在しないので,淡々と走るだけだろう.

輪島では入賞を目指す.
そして,ジャパンカップオープンで優勝する.
(仕事が入らない事を祈る)

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<ロードレース歴>
1.2009群馬BR-1 59位 (単純に力不足)
2.2009岩手日報杯 DNF (雨の寒さに負けた)
3.2009富士SWBR-1 93位 (序盤から逃げ続けた)
4.2009石川BR-1 22位 (動き過ぎた+暑さに負けた)
5.2009小川BR-1 15位 (降りが怖くて遅れた)
6.2009美麻BR-1 16位 (動き過ぎて力尽きた)
7.2009加東BR-1 36位 (動き過ぎて力尽きた)
8.2009飯田BR-1 8位
9.2009輪島BR-1 5位
10.2009ジャパンカップオープン DNF (1周目チェーン落ち)
11.2010群馬TR DNF (序盤に動き過ぎて脚攣り)
12.2010岩手日報杯 5位 (序盤に動き過ぎて脚攣り)
13.2010石川TR DNF (動き過ぎた+暑さに負けた)